この10年で、スキー用具の中で最も進化したのは、ビンディングと言って過言でないでしょう。
ただ、進化とともにバリエーションが増えて、さまざまなタイプのビンディングが販売されているので、どんな基準で選んで良いのか分かりづらいと思います。
どのモデルがフリースタイルスキーのために最適なのか?
ビンディングはスキー用具の中で、滑降にかなり影響します。
スキーブーツ > ビンディング > スキー板
の順に大事なのが、ビンディング。
足に近い方から大事なのですが、ビンディングが合ってないと足とスキー板が一体のフィーリングが得られず、スキー板をコントロールしづらくなってしまいます。
一度スキーに装着してしまうと交換するのが億劫になるので、買ってから後悔しないための2023-2024年シーズンのフリースタイル用スキービンディング購入ガイドです。
ビンディングの規格
まず、ビンディングの規格が複数ありますので、確認しましょう。
ブーツと規格が合ってないと装着できませんので、チェックしておきましょう。
最近のスキーブーツは、従来からあるアルペン規格より歩きやすくなったGrip Walk規格が増えてきています。
ビンディングの規格も6つくらいあるのですが、基本は以下の3つを覚えておけば良いです。
Grip Walkビンディング
名前の通りGrip Walk規格のブーツに対応したビンディング。ISO5355規格にも対応しています。
基本はこの規格のビンディングを選んでおけば、問題ないです。
Grip Walk | ISO5355 アルペン規格 | ISO9523 ツアー規格ブーツ |
⚪︎ | ⚪ | × |
ISO9462アルペン規格ビンディング
従来からあるビンディングの規格がこれ。
ISO5355アルペン規格のみ対応なので、ブーツのみ買い替えた時、GripWalkのブーツを選んでしまうと、ビンディングと適合しないことも。
Grip Walk | ISO5355 アルペン規格 | ISO9523 ツアー規格ブーツ |
× | ⚪ | × |
MNC
マルチに対応できるビンディング。
フリースタイルスキーで人気のSalomonのStriveシリーズなんかは、Grip WalkとMNCの両方のモデルをリリースしています。
Grip Walk、ISO5355、ISO9523全てに対応できるビンディングです。
じゃあ、MNCでイイじゃんと思うかもですが、MNC規格は他規格のビンディングより少しだけ重くなります。
バックカントリーで必須のISO9523ツアー規格ブーツを使うことがない、ということならGrip Walk規格のビンディングの方がおすすめです。
Grip Walk | ISO5355 アルペン規格 | ISO9523 ツアー規格ブーツ |
⚪ | ⚪ | ⚪ |
解放値の選び方
解放値は結構個人の好みがあるので、この解放値が良いというのは一概に言えないのですが、一応、以下のような基準はあります。
解放値が小さいと外れやすく怪我しづらい、解放値が大きいと外れにくく、板をコントロールしやすい。
ちなみに、177cm、67kgの私は解放値を10に設定しています。大きい方だと思いますが、個人的にはスキー板がブラブラして欲しくないので、これくらいの設定にしています。
ただ、一般期には8以上の解放値が必要な方はそんなに多くないと思います。 以下の一般的な解放値設定表を見て、ある程度自分の最大の解放値を把握しておきましょう。
解放値算定表 | ||||||||
体重 (kg) | 身長 (cm) | コード | ブーツソール長(mm) | |||||
250 以下 | 251 │ 270 | 271 │ 290 | 291 │ 310 | 311 │ 330 | 331 │ 以上 | |||
10-13 | A | 0.75 | 0.75 | |||||
14-17 | B | 1.00 | 1.00 | 0.75 | ||||
18-21 | C | 1.50 | 1.25 | 1.00 | ||||
22-25 | D | 1.75 | 1.50 | 1.50 | 1.25 | |||
26-30 | E | 2.25 | 2.00 | 1.75 | 1.50 | 1.50 | ||
31-35 | F | 2.75 | 2.50 | 2.25 | 2.00 | 1.75 | 1.75 | |
36-40 | G | 3.50 | 3.00 | 2.75 | 2.50 | 2.25 | 2.00 | |
41-47 | 148以下 | H | 3.50 | 3.00 | 3.00 | 2.75 | 2.50 | |
48-57 | 149-157 | I | 4.50 | 4.00 | 3.50 | 3.50 | 3.00 | |
58-66 | 158-166 | J | 5.50 | 5.00 | 4.50 | 4.00 | 3.50 | |
67-78 | 167-178 | K | 6.50 | 6.00 | 5.50 | 5.00 | 4.50 | |
79-94 | 179-794 | L | 7.50 | 7.00 | 6.50 | 6.00 | 5.50 | |
95以上 | 195以上 | M | 8.50 | 8.00 | 7.00 | 6.50 | ||
N | 10.00 | 9.50 | 8.50 | 8.00 | ||||
O | 11.50 | 11.00 | 10.00 | 9.50 |
解放値が10の私の場合、最大16まで設定できるビンディングを使っています。
最大が16のビンディングと言っても、最大値で設定することはあまりなく、6~7割くらい余裕を持って選びましょう。
一般的な体格なら初心者で最大値11、中級者で最大値11or14くらいあれば、十分だと思います。
ビンディングのブレーキ幅
ブレーキ幅とは、ビンディングの端についている、スキー板が外れた時に雪面に食い込んでスキー板が流れてしまうことを防ぐ金具。
このブレーキ幅がスキー板の幅より小さいと取り付けることができないので、スキー板の幅より広いものを選びます。
広いと言っても広すぎると扱いづらくなるので、1~3cmほど大きいものを選びましょう。
少しくらいならブレーキは広げることができるので、例えば100mmのワイズの板なら、100~115mmのブレーキ幅のビンディングを選んでおけば良いです。
メーカーの選び方
スキービンディングのメーカーはヨーロッパに集中しています。
LOOK
フリースタイルスキーのレジェンド、ヘンリク・ハーロウが愛用するのがこのLOOK。フランスのヌベール発のメーカー。
個性的なスタイルで、後ろ側が大きく個性的なので、LOOKをつけているとスキーヤーの後ろ姿がかっこいいです。
フリースタイルスキーのビンディングならコレっていうメーカー。
しっかりスキー板をホールドしてくれ、スキー板が足の裏にくっついているようなフィーリングで滑れます。
MARKER
ドイツのスキービンディングの老舗MARKER。
滑降モードとハイクモードを切り替えることができるDUKEシリーズ、フリーライド用のJESTERシリーズなどをリリースしています。
SALOMON
言わずと知れたフランスの総合スキーメーカーのSALOMON。ビンディングの製造でも有名です。
現在は、アメヤスポーツというグループに属していて、ARMADA、ATOMICと同じ系列になっています。
ARMADA、ATOMICからもビンディングは出ているのですが、SALOMONからのOEMなので、モノは同じ。
TYROLIA
オーストリアのスキービンディングメーカー。
とにかく、コスパが良いのが特徴です。
性能も申し分なく、フリースタイルスキーをはじめる方にぜひおすすめしたいメーカー。
おすすめフリースタイル用スキービンディングトップ6
ビンディングを選ぶ際にはスキーブーツ、スキー板との相性も考えましょう。
基本的には同じメーカーグループ同士の相性が良いのですが、そもそも規格が合わないということもあるので、ブーツ、スキー板との相性も考えて選びましょう。
ブーツブランド | ビンディングブランド | スキー板ブランド | |
アメアスポーツグループ | SALOMON ATOMIC | SALOMON | SALOMON ATOMIC ARMADA |
MDVスポーツグループ | DALBELLO | MARKER | VOLKL |
K2グループ | K2 旧FULL TILT | – | K2 |
ROSSIGNOLグループ | LANGE | LOOK | DYNASTAR |
フリースタイル用スキーブーツの選び方はこちら↓
フリースタイル用ツインチップスキー板の選び方はこちら↓
NO1: MARKER JESTER 16 2024
初級者 | 中級者 | 上級者 |
★ | ★★★ | ★★★★★ |
“間違いない”フリースタイル用スキービンディングです。
王道中の王道のビンディング。
後ろ部分が大きくてインパクトがあり、装着しているとかなりカッコいい。やはりフリースタイルスキーはカッコも大事。
性能とカッコよさの両立を考えるならこちら。
BOOT TYPE | MNC(Alpine, Touring, GripWalk) |
WEIGHT | 1050g |
DIN | 6.0 – 16.0 |
BREAK WIDTH | 90, 100, 110, 120 |
NO2: SALOMON Strive 14 GW
初級者 | 中級者 | 上級者 |
★ | ★★★★ | ★★★★ |
同じアメヤスポーツグループのARDAMA、SALOMON、ATOMICのスキー板に相性が良いのが、このStriveシリーズ。
ARMADA、ATOMICからもビンディングがリリースされていますが、このSALOMONのStriveとOEMです。
Striveの特徴は、ブーツを装着した時の高さがたった20mmと低いこと。低いとスキー板にパワーを伝えやすいですし、姿勢も低くなるのでいいことばかりです。
軽量なのも特徴で、選んでおいて間違いないモデルです。
BOOT TYPE | GW(Alpine, GripWalk) |
WEIGHT | 980g |
DIN | 5.0 – 14.0 |
BREAK WIDTH | 90, 100, 115,130 |
NO3: LOOK PIVOT GW 14 FORZA 3.0
初級者 | 中級者 | 上級者 |
★ | ★★★ | ★★★★★ |
ヘンリク・ハーロウが愛用するのがLOOK。
パークに入るなら、LOOKが最高におすすめです。
見た目もカッコよくて、このビンディングを装着しているとゲレンデでかなり目立ちます。重量が少し重めなので、脚力のある中級者以上におすすめ。
BOOT TYPE | GW(Alpine, GripWalk) |
WEIGHT | 1115g |
DIN | 5.0 – 14.0 |
BREAK WIDTH | 105-115 |
NO4: MARKER DUKE PT16
初級者 | 中級者 | 上級者 |
★ | ★★★ | ★★★★★ |
フリースタイル向けのビンディングながら、ハイクモードにもできるという、超革新的なハイブリッドモデル。
パークにも入りたいけど、バックカントリーでも遊びたいというスキーヤーにはこのMARKERのDUKE一択です。
ハイクモードにするなら、ブーツも対応していないといけないです。
ハイクモードにもできるフリースタイル用スキーブーツのK2のDIVERGEシリーズを一緒に購入しましょう。
BOOT TYPE | MNC(Alpine, Touring, GripWalk) |
WEIGHT | 1050g (uphill) 1350g (downhill) |
DIN | 6.0 – 16.0 |
BREAK WIDTH | 100,125 |
NO5: MARKER SQUIRE 11
初級者 | 中級者 | 上級者 |
★★★★★ | ★★★ | ★ |
初級者には絶対これです!
820gと圧倒的に軽く、スキー板を持ち上げたり、回したりするフリースタイルスキーには最高のスペックです。
BOOT TYPE | GripWalk(Alpine, GripWalk) |
WEIGHT | 820g |
DIN | 3.0 – 11.0 |
BREAK WIDTH | 90,100,110 |
NO6: TYROLIA ATTACK 11 GW
初級者 | 中級者 | 上級者 |
★★★★ | ★★★ | ★ |
初心者にはMARKER SQUIREをおすすめしますが、コスパ重視ならこのTYROLIA ATTACKシリーズを。
普通にフリーラン、パークで遊ぶなら十分すぎる性能です。
BOOT TYPE | GripWalk(Alpine, GripWalk) |
WEIGHT | 990g |
DIN | 3.0 – 11.0 |
BREAK WIDTH | 85,95,110,130,150 |
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