女子の飛距離
一般的な成人女子のヘッドスピードは30〜32m/sです。ドライバーの飛距離で言うと、32m/sで175ヤード程度。56度のサンドウェッジで60ヤード。男性で250ヤード飛ばす人なら、56度のサンドウェッジで85ヤードくらいです。女子プロは男性と同じくらい飛ばすのですが、一般女性の飛距離はかなり飛ばないと思っておいてください。
クラブの長さの違い
女子 | 男性 | |
ドライバー | 44 〜 44.5 Inch | 45 〜 45.5 Inch |
7番アイアン | 36.25 〜 36.75 Inch | 36.75 Inch |
レディースクラブの場合、ドライバーで男性用の1Inch、アイアンで同じ長さか0.5Inch短くなっています。男性と女性だと、身長がざっくり10cm違うのに比べて、クラブの長さは0.5〜1Inchしか違わないということで、女性にとってはかなり扱いづらい長さとなっています。
44inchのドライバーを女性が使うというと、男性のイメージだと、ドライバーで47インチくらいの長尺ドライバーでスイングしているイメージです。個人的には、女性の場合、男性より2inch短い43インチくらいのドライバー、7番アイアンで1.5Inchくらい短い35.25Inchくらいの長さにした方が良いと思うのですが、そこまで短いクラブは販売されていないようです。ただ、長さはかなりスイングに影響します。長いクラブほど扱いづらく上達が遅くなってしまいます。できるだけ短いクラブを選んであげたいところです。
一般的なクラブの重さの違い
女子 | 男性 | |
ドライバー | 260g前後 | 320g前後 |
ドライバーシャフト | 40〜50g | 60g |
7番アイアン | 330g 前後 | 430g 前後 |
アイアンシャフト | 40〜50g | 100 〜 130g |
女子向けのドライバーの重さは男性のハードヒッターのドライバーより60gほど軽いのが通常です。これはこれで良いと思うのですが、アイアンはかなり軽くて、男性より100gほど軽くなっています。ドライバーもアイアンも40〜50gの軽量のカーボンシャフトが装着されているからなのですが、ちょっとドライバーの重さに比べてアイアンは軽すぎます。
実際、一般の女性ゴルファーのスイングをみていると、手を使って手打ちになっていることが多い。これは、アイアンが軽すぎるというのも一因かと思います。もう少しアイアンを重くして、体の回転で打たないとスイングできないようにした方が本当はいいと思います。ただ、店頭で女性が持った時、軽い方が振りやすいので、あまり重いと売れないのかもしれないです。ただ、流石にアイアンのシャフトが40gとかだと軽すぎる。
ドライバーシャフトが40〜50gなら、アイアンのシャフトは60g〜80gくらいが良いです。本来なら、70〜80gのスチールシャフトをおすすめしたいところです。アイアンについては、レディースクラブではなく、シニア男性向けのアイアンの購入も視野に入れておいた方が良いと思います。デザインさえ女性が許せば、価格はそんなに変わりません。むしろ、スチールの方が安い場合が多いです。
女子プロのクラブセッティング
菅沼菜々
1W | ダンロップ ゼクシオ エックス(8.5) ディアマナBB5(S) |
3W,4W,5W,7W | ダンロップ ゼクシオ エックス(15,16,18,20) テンセイ プロ ホワイト1K 50(S) |
5U | ダンロップ ゼクシオ エックス(23) テンセイ プロ オレンジHY 60(S) |
5I – PW | ダンロップ スリクソンZX5 MKII NSプロ ゼロス8(S) |
PW,AW,SW | ダンロップ クリーブランドRTX6(48,52,56) NSプロ850GH(S) |
P | PING2021 タインC |
女子ツアーの中でも飛ばし屋でない菅沼プロのセッティングは参考になります。ドライバー、フェアウェイウッドのシャフトは50g台、ハイブリッドが60g台、アイアンは80g台と重量フローが綺麗に決まっています。アマチュアの女性なら、それぞれのクラブで10gずつ軽くすれば良いバランスになるでしょう。
おすすめレディースゴルフクラブセッティング
本数は10〜11本で十分
女性のゴルフセッティングについては、男性のように14本のセッティングは必要ないです。男性のハードヒッターの場合、ドライバーで250ヤード(Runあり)、58度のサンドウェッジで90ヤード(Runあり)程度、飛距離がでます。250ヤードマイナス85ヤードで、165ヤードの飛距離をクラブ13本でカバーしています。一般的な女性の飛距離は、ドライバーで175ヤード程度、サンドウェッジで60ヤード、カバーしないといけない飛距離は110ヤードの幅です。
ハードヒッターの男性は165ヤードを13本のクラブでカバーするのに対し、女性がカバーしないといけないのは110ヤード。男性が一本のクラブでカバーするのは12.5ヤード程度、女性がカバーしないといけないのは、110ヤードなので、クラブは10-11本で十分です。
セッティングとしては、以下の通りで良いでしょう。
ドライバー | 1本 |
フェアウェイウッド | 2本 5w と 7w |
アイアン | 5〜6本 6番からPW もしくは 7番からPW |
ウェッジ | 2本 50度と56度 |
パター | 1本 |
女子の飛距離のイメージは以下の通り。ヘッドスピード32m/sの女子の場合。
ロフト(°) | 飛距離(yard) | |
1W | 12 | 175 |
5W | 18 | 155 |
7W | 21 | 140 |
6I | 27 | 120 |
7I | 30 | 110 |
8I | 34 | 100 |
9I | 39 | 90 |
PW | 44 | 80 |
AW | 50 | 70 |
SW | 56 | 60 |
おすすめメーカーは?
各社女性向けのクラブは現在強化中かと思いますが、男性向けに比べて圧倒的にラインナップが少ないのが現状です。例えば、タイトリストは女性向けモデルを販売していません。国内のブリヂストンやスリクソン、外国ブランドのテーラーメイド、PINGあたりはウィメンズクラブをリリースしていますが、アイアンシャフトが30〜40gとあまりにも軽すぎる設定となっています。
その中でも、キャロウェイだけは女性向けクラブに力を入れており、女性むけクラブのカスタマイズも可能。フェアウェイウッド、アイアン、ウェッジのシャフトは豊富なラインナップから選択でき、長さもカスタマイズできます。
フレックス(硬度)は?
女性のアマチュアゴルファーの場合、フレックスは、L(Ladies)、A(Average) or R2、R(Regular)の3つの選択肢です。一般的にはヘッドスピードでフレックスを選びます。厳密にいうと、シャフトによって同じRでも硬さは違うのですが、そこまで気にしなくて良いです。
※AとR2は同じ設定です。
L (Ladies) | 28 〜 34m/s |
A (Average) or R2 | 32 〜 37m/s |
R (Regular) | 37 〜 40m/s |
ドライビングレンジなどで、振ってみて試すのが良いのですが、迷ったら、A or R2 か R で選んでおきたいです。L だと、上達した時に選択肢が少なくなり過ぎてしまいます。できれば、最も製品の選択肢が広がる R を選んでおきたいところですが、ドライバーで190ヤード近く飛ばせるパワーが必要です。迷ったら、A or R2 を選んでおいて良いです。
ドライバー
40gのシャフトのモデルがおすすめです。また、ロフトは12度前後のものが良いでしょう。10.5度のドライバーだと球が上がらないのと、サイドスピンが増えてしまうのでスライスしやすくなります。よほど入射角度がアッパーでない限り12度のドライバーが良いです。
カスタムができれば、43〜43.5inchくらいの長さにすると良いです。既製品のウィメンズドライバーだと、44〜44.5inchくらいが多いと思いますが、44inchの設定だと、男性が47inchくらいの長尺ドライバーを持っているのと同じイメージとなりますので、できれば短いものを買いたいです。
フェアウェイウッド/ユーティリティ
ユーティリティは使わず、フェアウェイウッドでのセッティングがおすすめです。シャフト重量はドライバーと同じか、10g重いものを選びましょう。アイアンセットとの相性も考えると、ドライバーより10g重め(50gのもの)がおすすめですが、50g台のシャフトでR2の設定のものは選べないことが多いですね。
組み合わせとしては、15度の3番ウッドは女性のヘッドスピードだと球が上がらなくなってしまいます。18〜19度の5番ウッドと3番ウッドの飛距離はほとんど変わらなくなってしまいますので、5番ウッドを入れましょう。次は、より球が上がりやすい7番ウッド。
形状の違うユーティリティを入れるより、ウッドのみのセッティングにした方がセッティングがシンプルになりますので、上達が早いです。ユーティリティは入れないセッティングがおすすめです。
アイアン
アイアンシャフトについては、40〜50gのシャフトのモデルが主流なのですが、50gのフェアウェイウッドの流れから考えると、60〜70g台のシャフトのモデルがおすすめです。今後のことも考えると、コストパフォーマンスを考えてスチールシャフトがおすすめです。70g台なら女性でも十分にスイングできる重さです。
ウェッジ
シャフトはアイアンと同じにしましょう。アイアンと同じ感覚でスイングできるようにするためです。
ロフトは50度と60度の組み合わせがGoodです。男性についても言えるのですが、女子には58度は必要ないです。58度になるとクラブヘッドがボールの下を潜ってしまって飛ばなかったり、フェースの上部に当たって飛ばなかったりというミスが起こりやすくなります。56度のウェッジがしっかり前に飛ばせるのでちょうど良いです。
パター
マレットやネオマレット型より、スタンダードなピン型のモデルがおすすめ。ピン形の方が距離が合わせやすく、スコアがまとまりやすいです。また、ピン方の方が流行り廃りが少なく永く使えます。長さは31〜32インチくらいが良いです。
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