実は慣性モーメント10,000g・cm2 もないPING G430 MAX 10K
10Kと言う、慣性モーメント10,000g・cm2を触れ込みに注目を集めたPING G430 MAX 10Kと、テーラーメイドのQi10 MAXですが、実はどちらのドライバーヘッドも実測では、10,000g・cm2もないです。実際は、58,000 ~ 59,000g・cm2程度の慣性モーメントとなっています。
実測の慣性モーメント(g・cm2) | |
PING G430 MAX 10K | 5,799 |
テーラーメイド Qi10 MAX | 5,952 |
ちょっとがっかりの慣性モーメント10,000g・cm2のドライバーなのですが、これまでのドライバーの慣性モーメントのMAX値は、50,000g・cm2程度だったので、58,000g・cm2程度という数字はかなり大きなインパクトです。今までより15%程度慣性モーメントが上がっています。
とはいえ、MOI10Kという触れ込み通り本当に曲がらないのか。実際、打ってみるとどうなのか?気になるところです。普段使っているTitlelist TSR3ドライバーと徹底比較してみました。
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PING G430 MAX 10Kのカタログスペック
まず確認したいのは、G430 10KとTSR3のカタログスペックです。同じ9°のモデルで、スペック比較してみます。
PING G430 MAX10K | Tiltleist TSR3 | |
表示ロフト/実測ロフト (°) | 9.0/8.6 | 9.0/8.3 |
ライ角 | 60.0 | 62 |
実測ヘッド体積 (cc) | 462.2 | 456.2 |
ヘッド実測重量 (g) | 201.9 | 201.7 |
重心距離 (mm) | 41.8 | 41.6 |
重心角 (°) | 31.7 | 23.8 |
フェース角(°) | 1.6°オープン | 2.0°オープン |
慣性モーメント (g/cm3) | 5,799 | 4,756 |
触れ込み通り、G430 MAX10K の慣性モーメントは5,799とTSR3を大きく上回っています。G430 MAX10Kの方が1.2倍の慣性モーメントがあり、スペック上、かなり曲がりづらいはず。また、あと大きな違いが重心角。重心角が小さいほど、ヘッドが戻ってきづらく引っ掛けづらくなるのですが、G430 MAX10Kは31.7とつかまりやすいドロー設計となっています。
試打スペック
普段は、TSR3には、Tour AD DI 6Xを刺しているのですが、G430 MAX10Kについては、TENSEIの新しいモデル、TENSEI PRO RED 1KのフレックスXのシャフトを刺して試打です。計測は、Toptracerのある野外のドライビングレンジで行いました。
G430 MAX10K 10.5度 | TSR3 9度 | |
シャフト | TENSEI PRO RED 1K 60 | Tour AD DI-6X |
スリーブポジション | 標準 | A1(標準) |
フレックス | X | X |
長さ(inch) | 45.25 | 45.25 |
シャフト重量(g) | 64.4 | 68.7 |
調子 | 先中 | 中 |
トルク | 3.8 | 3.0 |
結果
計測データ
TSR3
いつも使っているTSR3ドライバーですが、リアルロフトが8.3ということもあり、打ち出し角度が低めです。というかいつもの通りのデータなんですが。アイアンは完全にドロー弾道の私ですが、ドライバーは低い弾道で真っ直ぐからフェード気味の方がミスが少ないためこの弾道でいつも飛ばしています。3球打ったところ、1球タイミングが合わず、チーピンが出てしまいました。まあ、いつもこんなもんかなという感じ。
ボール初速が68〜69m/s出ているので、実際はもうちょっと飛んでいても良いと思うのですが、かなり厳しめの計測結果です。ただ、今回は比較が目的なので、よしとしましょう。
G430 MAX 10K
G430 MAX 10Kで計測してみると、ロフトが10.5のモデルなので打ち出し角度が高くなるのはまあ、想定通りですが、思ったよりボールがつかまります。フェードを打つのが難しいくらいドローが出ます。と言っても、引っ掛けることはなく、曲がりが小さいドローが出ます。TSR3の場合は、チーピンが1球出てしまいましたが、3球打って安定してドロー弾道で飛んでいきました。とにかく安定しています!
何より、今回指したTensei Pro Redの振り抜きが素晴らしく良いですし、インパクトでしっかりスクエアにフェイスが戻ってきます。このシャフトとこのヘッドだと、絶対曲がらないという信頼感があります。
概要
事前の10Kの慣性モーメントという触れ込み通り、とにかく、曲がらないです。本当に曲がらない。20球位練習場で打ちましたが、チーピン、プッシュスライスは皆無となりました。引っ掛けたと思っても、なんとなく左方向へ真っ直ぐ飛んでいき、そこから大きくフックすることはない。インパクトでフェイスが開いて当たって、プッシュスライス気味になったとしても、そこから大きくスライスせずそのまま真っ直ぐ飛んでいきます。
フェイスが閉じる、開くで、飛び出しがずれることはありますが、そこから大きく曲がることはない、なんか狐に摘まれたような感じのするドライバーです。実際にコースで打ってみるとどうなるかは分かりませんが、ミスしてもフェアウェイに残ってくれる可能性が高いドライバーです。
飛距離とつかまり
球のつかまりは良いドライバーで、普通にスイングすると軽いドローで飛んでいきます。普段使っているコースで試していないので、なんとも言えないところですが、最大飛距離はTSR3ドライバーよりG430 MAX 10Kの方が出ていました。曲がらないという安心感があるので、振っていけます。結果的に、スイングスピードが上がり、飛距離が出るというカラクリです。
打感
個人的には打感はかなり重視するのですが、打感は悪くなく、少し甲高い音が出るものの、しっかりした手応えがあり、フェイスにボールが乗る感じで飛んでいってくれます。G430 MAXは少しカキーンという音で硬い打感であまり好きではなかったのですが、10Kの方が柔らかい打感です。ヘッドがかなり軽く感じられ、スムーズにスイングがしやすい。
G430 MAX 10K | TSR3 | |
弾道 | 高弾道 | 低弾道 |
打ち出し | 左 | 右 |
ドロー/フェード | ドロー系 | フェード系 |
打感 | カキーンと少し硬いが、フェイスにボールに乗る感覚がある | バシュッと吸い付くような打感手応えがある |
G430 MAX 10KとTSR3ドライバー比較の結論
G430 MAXとTSR3の勝負では、TSR3ドライバーに軍配が上がりましたが、G430 MAX 10KとTSR3だとどちらかというと・・・
G430 MAX 10K | TSR3 | |
飛距離 | 引き分け | 引き分け |
方向性 | 勝ち | |
ミスの寛容性 | 勝ち | |
つかまり | 勝ち | |
打感 | 勝ち |
3-1でG430 MAX 10K の勝ち!
このG430 MAX 10Kを使うことで、OBを減らせると思いますので、スコアメイクには確実に貢献できるドライバーです。結論、お金さえあれば、買いだと思います。
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PINGとTitleistドライバー相関図
PINGとTitleistのドライバーを使用してきたのですが、その中でもG430 MAX 10Kは一番捕まるドライバーでした。タイトリストのTSR9とは対照的なドライバー。球が捕まるけど、チーピンにはならないというのが特徴的ですね。
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