【2022年北京オリンピック】フリースタイルスキー・メダリスト使用スキー板徹底解剖&スペックまとめ

現在、2026年ミラノ・コルティナオリンピックが開催中でありますが、2022年北京オリンピックでのメダリストの使用スキー板についておさらいとしてまとめておきます。4年でどれだけ変化したかを確かめてみましょう!


2022年北京オリンピックでは、人類の限界を突破するようなトリックが連発されました。1980度(5回転半)回るのが当たり前になったビッグエア、クリエイティビティの塊のようなスロープスタイル、そして圧倒的な高さで度肝を抜いたハーフパイプ。

あの頂点に立った選手たちは、一体どんなスキー板を履いていたのでしょうか?

「もっと高く飛びたい」「スタイルを出したい」「あの選手と同じ板に乗りたい」
そんな熱い思いを持つフリースタイルスキーヤーのために、北京五輪メダリストの使用ギア(スキー板)を徹底的に調査し、種目別・男女別にまとめました。パーク&パイプ系種目の使用ギア完全ガイドです。


目次

1. ビッグエア

一発のジャンプで難易度、完成度、着地を競う、まさに空中の格闘技。着地の衝撃に耐えうる強靭さと、スピンを軽くするためのスイングウェイトの軽さが求められます。

【男子ビッグエア】

🥇 金メダル:ビルク・ルード(ノルウェー)

  • 使用スキー:Völkl (フォルクル) / Revolt 86
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:86mm
      • 形状:チップ&テールロッカー(キャンバーあり)
      • 特徴:競技志向のパークライダー向けに開発されたモデル。「Revolt(反乱)」の名が示す通り、既成概念を壊すようなトリックを可能にします。コア(芯材)が非常にタフで、北京の硬いランディングバーンでもブレない安定感が、ビルクの完璧なスイッチ着地を支えました。

🥈 銀メダル:コルビー・スティーブンソン(アメリカ)

  • 使用スキー:K2 (ケーツー) / Poacher
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:96mm
      • 特徴:フリースタイル界の超ロングセラーにして名機。96mmという少し太めのウエストは安定感抜群。カーボンブーストブレードを採用しており、強烈な反発力(ポップ)を生み出します。X Gamesなどでも多くの選手が愛用する、信頼度No.1のパークスキーです。

🥉 銅メダル:ヘンリック・ハーロウ(スウェーデン)

  • 使用スキー:Armada (アルマダ) / EDOLLO
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:98mm
      • 特徴:ご存知、B-Dogことヘンリック・ハーロウのシグネチャーモデル。最大の特徴は、ノーズが柔らかくテールが硬いこと。これにより、彼のような変幻自在のバター系トリックやノーズプレスが可能になります。98mmと太めのウエストは着地の安定性も確保。まさに「スタイルマスター」のための板です。
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【女子ビッグエア】

🥇 金メダル:アイリーン・グー(中国)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 0 Gu
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:90mm
      • 特徴:今大会の「顔」となったアイリーン・グー。Factionからは彼女のシグネチャーデザイン(フェニックス柄など)が施されたモデルがリリースされています。現在は競技用スペックとして「Studio 0」というモデルが展開されています。パイプもスロープもこなす彼女には、反応が鋭く、硬めのフレックスを持つコンペティションモデルがマッチします。

🥈 銀メダル:テス・ルドゥー(フランス)

  • 使用スキー:Atomic (アトミック) / Bent 85
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:85mm
      • 特徴:女子で初めてダブルコーク1620をメイクしたテス。彼女の足元は長年AtomicのPunxシリーズが支えてきました。細めのウエストでエッジの切り替えが速く、パイプやキッカーでの抜けが良いのが特徴でしたが、この大会からはBentシリーズへの移行しています。

🥉 銅メダル:マチルド・グレモー(スイス)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 1
    • 特徴: 
      • ウエスト:90mm
      • スイスの実力者グレモーもFactionを使用。Factionのチーム力はこの大会で圧倒的でした。彼女が使用するのはオールラウンドに使えるパークモデル。スピンの始動が早く、空中姿勢を安定させるバランスの良さが魅力です。
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2. スロープスタイル(Slopestyle)

ジブ(レールセクション)とジャンプセクションを滑り降りる、総合滑走能力が問われる種目。板には、レールに乗るための耐久性と、ジャンプの反発力、両方のバランスが求められます。

【男子スロープスタイル】

🥇 金メダル:アレックス・ホール(アメリカ)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 2
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:102mm
      • 特徴:誰も真似できないクリエイティブなライン取りで金メダルを獲得したA-Hall。彼は身長が高いため、少し長めでウエストも広めの板を好みます。Factionの板は耐久性が高く、激しいレールヒットでもエッジが割れにくい構造になっています。彼の「あえて回転数を抑えた」渋いトリックを表現するのに最適な、操作性の高い板です。
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🥈 銀メダル:ニック・ゲッパー(アメリカ)

  • 使用スキー:Völkl (フォルクル) / Revolt 86
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:86mm
      • 特徴:フルキャンバー形状を採用しているのが最大の特徴。ロッカーが入っていないため、雪面を捉える有効エッジが長く、カービングのキレとジャンプの反発力が段違いです。高速域での安定性が求められるスロープスタイルにおいて、まさに「競技者のための板」と言えます。

🥉 銅メダル:イェスペル・ジェイダー(スウェーデン)

  • 使用スキー:Head (ヘッド) / Oblivion 94
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:94mm
      • 特徴:YouTubeでのクレイジーな挑戦でも有名なイェスペル。HeadのOblivion(オブリビオン)は、トップとテールの立ち上がりがスムーズで、スイッチライディングやプレス系トリックがやりやすい設計。彼のトリッキーなレールワークを支える、遊び心と性能が同居したモデルです。

【女子スロープスタイル】

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🥇 金メダル:マチルド・グレモー(スイス)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 1
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:90mm
      • 特徴:ビッグエア銅メダルに続き、スロープで見事金メダルを獲得したグレモー。彼女の使用する「Studio 1」は、パーク&パイプに特化した競技用モデルです。
      • ここがポイント!: グレモーの持ち味は、女子離れした「ダイナミックなジャンプ」。着地の衝撃をしっかりと受け止める強度と、次のセクションへスムーズに繋ぐための程よい太さ(90mm)が、彼女のパワフルなランを支えました。
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🥈 銀メダル:アイリーン・グー(中国)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 0 Gu (Signature Model)
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:90mm
      • 特徴:今大会3つのメダルを獲得したスーパースター。彼女の足元には、自身の名前を冠したシグネチャーモデルが輝いていました。ベースとなっているのは、パイプやパークで切れ味鋭い動きを可能にする、少し細身の競技スペックです。
      • ここがポイント!: 彼女の板は「反発力(ポップ)」が非常に強く設計されています。レールセクションでの細かい操作性と、ジャンプでの回転力を両立させるため、硬めのフレックス(しなり)が採用された、まさに「勝つための板」です。

🥉 銅メダル:ケリー・シルダル(エストニア)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 2
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:102mm
      • 特徴:「レールの魔術師」とも呼ばれるほど、ジブセクションでのテクニックが世界一のシルダル。彼女は他の2人よりも少し太めのモデルを選んでいます。
      • ここがポイント!: 102mmという太めのウエストは、レールやボックスに乗った時の安定感が抜群です。どんなに難しいレールへの入り方をしても、ピタッと吸い付くような安定性を提供します。ジャンプだけでなく、ジブでの高得点を狙う彼女らしい、玄人好みなチョイスと言えます。

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3. ハーフパイプ(Halfpipe)

氷のように硬い壁を駆け上がり、約7メートルもの高さへ飛び出す種目。最も重要なのは「エッジグリップ」と「加速力」。パイプ専用にチューニングされた硬めの板が好まれます。

【男子ハーフパイプ】

🥇 金メダル:ニコ・ポーティアス(ニュージーランド)

  • 使用スキー:Atomic (アトミック) / Punx 7
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:84mm
      • 特徴:連続技(バック・トゥ・バック)の1620を決めたニコ。彼の相棒は長年Atomicです。Punx 7はパイプ競技の定番中の定番。サイドカーブが絶妙で、ボトム(底)での加速を殺さずにリップ(頂点)へ駆け上がることができます。硬めのフレックスが、強烈なG(重力)に耐え、高く飛び出す反発を生みます。

🥈 銀メダル:デビッド・ワイズ(アメリカ)

  • 使用スキー:4FRNT (フォーフロント) / Switch (Wise Signature)
    • スペック・特徴:
      • 特徴:2連覇中の王者から銀メダリストへ。彼は自身のスポンサーである4FRNTからシグネチャーモデルを出しています。彼のような大柄な選手がハイスピードで突っ込んでもバタつかない、非常に剛性の高い板です。余計なギミックを排除し、純粋に「高く飛ぶ」ことにフォーカスした職人のような板です。

🥉 銅メダル:アレックス・フェレーラ(アメリカ)

  • 使用スキー:Armada (アルマダ) / ARV 86
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:86mm
      • 特徴:誰よりも美しい空中姿勢を持つフェレーラ。ArmadaのARVシリーズはパークの定番ですが、パイプ選手はより硬い芯材を使った特注(プロトタイプ)を使うことも多いです。Armada特有のしなやかさを残しつつ、パイプの壁を切り裂くエッジグリップを持たせています。

【女子ハーフパイプ】

🥇 金メダル:アイリーン・グー(中国)

  • 使用スキー:Faction (ファクション) / Studio 0 Gu
    • 解説: 彼女はこの大会3個目のメダル(金2、銀1)。パイプにおいてもFactionの板の性能が証明されました。パイプではスロープスタイルよりも少し細めのウエストや、キャンバーが強めのセッティングを選ぶ傾向にありますが、彼女はオールラウンドに高いレベルで板を操作していました。

🥈 銀メダル:キャシー・シャープ(カナダ)

  • 使用スキー:ZUMA PRO PIPE
    • 解説: キャシー・シャープは日本のメーカーZUMA(ツマ)のパイプ専用モデルを使っていました。

🥉 銅メダル:レイチェル・カーカー(カナダ)

  • 使用スキー:Armada (アルマダ) / ARW 86
    • スペック・特徴:
      • ウエスト:86mm
      • 特徴:安定した高さを誇るカーカーはArmadaのレディースラインARWを使用。ARVのレディース版ですが、ソフトフレックスで扱いやすく、軽量なのが特徴。女性スキーヤーにとって、板の軽さは空中でのグラブの掴みやすさに直結します。

まとめ:北京五輪から読み解くギアのトレンド

今回の北京オリンピックの使用ギアを分析すると、いくつかの明確なトレンドが見えてきました。

  1. Faction(ファクション)の圧倒的支配
    特に女子種目と男子スロープスタイルにおいて、Factionの強さが際立ちました。特にStudioシリーズを使用するライダーがかなり多いです。
  2. ウエスト幅の多様化
    以前は「パーク=85mm前後」が定石でしたが、男子スロープスタイルやビッグエアでは90mm後半〜98mmあたりの太めの板を選ぶ選手が増えています(K2 PoacherやArmada Edolloなど)。これは、着地の安定感を重視し、かつ多方向へのバター系トリックを取り入れるニュースクールの流れを反映しています。
  3. VölklとAtomicの「競技力」
    一方で、純粋に回転数や高さを競うシーンでは、VölklのRevoltやAtomicのPunxといった、伝統的な「キャンバーしっかり・反発強め」の板が根強い人気を誇りました。勝つための板を選びたいなら、この2ブランドは外せません。

あなたに合う板はどれ?

  • 流行のスタイルとブランド力を手に入れたいなら 👉 Faction
  • 耐久性と男らしい太めの板が好きなら 👉 K2
  • 独自のスタイルとバター系トリックを極めるなら 👉 Armada
  • コンペティションで勝つための反発・キレが欲しいなら 👉 Völkl か Atomic

メダリストたちが選んだギアには、それぞれのスタイルを極めるための「理由」があります。
憧れの選手と同じ板を履けば、モチベーションも上がり、練習にも熱が入ること間違いなしです。ぜひ、今シーズンの相棒選びの参考にしてみてください!

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この記事を書いた人

サーフィン歴20年以上40代、ショート、ミッドレングス、ロング全部乗ります。

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