ツインフィッシュ系の流れは終わり?
2024年現在、ここ20年ほどショートボードのトレンドは、短く、厚くと言う流れでした。2000年に入った頃は、身長より2inch位長いショートボードが主流で、シェイプも細かったのですが、2010年に入った頃から、いわゆる”ミニボード”がブームとなり、ショートボードがどんどん短く、幅が広く、厚く、ロッカーも弱くなってきました。この辺りから、容量、ボリュームと言う言葉が使われるようになり、「そのボード、何リットルあるんですか?」と聞かれるようになります。
やはり、厚みのあるボードの方が浮力があるのでテイクオフはウネリの部分近くから立てますし、幅がある方が安定性もあります。これは、ゴルフやスキー、マラソンなど全てのスポーツに言えることですが、昨今はスポーツに習熟するのに時間がかかってしまうのをテクノロジーで短縮化する、道具の”簡単化”が進んでいます。これは、全てのスポーツのトレンドなので、抗いようがないことかと思います。
その流れの中で、特に40代以上のオヤジサーファーがよりテイクオフが速い(と感じる)ツインフィッシュに乗るようになりました。湘南鵠沼や、千葉の一宮、サンライズあたりでは、ChristensonやJS の Red Bronのようなサーフボードをよく見るようになりました。雑誌でも、ツインフィンの特集が組まれたり。ただこのミニボード系のツインフィッシュの流れはそろそろ終わるのではないかと思っています。
ツインフィッシュを愛用する友人にツインピンを貸してみたら
そんなミニボードブームの中で、それまでのショートボードからツインフィッシュを購入した友人(40代男性)がいます。いつもツインフィッシュに乗っていて、かなり満足している様子です。
「テイクオフが速いので、楽〜」
と言っていました。さぞかし楽しいのではと思い、彼の持っている5’6のツインフィッシュに乗せてもらった(いつもは、5’10のハイパフォーマンスThrusterを使っています)のですが、個人的にはあまりしっくりきませんでした。厚すぎるし、ロッカーが無さすぎて、なんかデッカイまな板に乗っているよう。なんか、乗っても波の描くラインのイマジネーションが湧きません。
これだったらツインピンのほうが楽しいと思った私が、彼にミッドレングスのツインピンを貸してみたら、
「断然、ツインピンの方が楽しい。テイクオフ速いし、パドルも速いし、ツインフィッシュよりダイナミックに曲がるし」
ということで、試乗インプレッションで、ツインピンの勝ち。
ツインピンがおすすな理由
厚くて短いツインフィッシュより、長めでボードの厚みも抑えめのツインピン方のが使用シーンが広いです。ツインフィッシュはテイクオフが速いというイメージがあると思いますが、やはり長いボードの方が推進力があるので、パドルのスピードが出ます。実際は、長いツインピンの方がテイクオフは速いです。
ボードが薄く、ロッカーもあるので、ドルフィンスルーも楽で、大きな波や掘れた波、急斜面でも対応可能です。フィンが後ろ側についていて、テールもしぼっているので、後ろ足第十にすればターンも楽です。
ツインフィッシュ VS ツインピン
ツインフィッシュ | ツインピン |
・容量があるのでテイクオフはウネリから立てる ・レイルトゥレイルのカービングの練習に良い ・ショートボードの初級者や中級者でも楽しめる ・基本は小波、メローな波用 | ・パドルのスピードが出るので、テイクオフは速い ・シングルフィンのようなピボットターン ・安定性がないので、初級者だと少し厳しい ・小波から大波、掘れた波までオールラウンドに対応できる |
ツインフィッシュはボードのレール部分を波に食い込ませてカービングターンするのに向いてます。レールを手で抑えてグーとカービングターンするようなシーンは良くみると多います。レールの切り替えが必要なカットバックの練習なんかには非常に役に立ちますが、ボードが短くロッカーが弱めなので、大きな波や掘れた波は不向きです(上手いサーファーはガンガン乗っていきますが)。
幅が広く安定性があるので、乗った後の安定性があります。そういう意味では、ショートボードの初心者〜中級者に向いていると言っていいかもしれません。当然、上級者でも楽しめますが。
ツインピンは、テール部分に体重をかけてのピボットターンのような形でクイッとターンするイメージ。シングルフィンのような動きができます。インサイドからツインピンのボードの動きをみていると、波の流れに身を任せたリラックスした雰囲気でスタイリッシュに見えるのがツインピン。
ツインフィッシュ | ツインピン | |
速い波 | △ | ◎ |
メローな波 | ◯ | ◯ |
小波 | ◯ | ◯ |
大きな波 | △ | ◎ |
カービング | ◎ | ◎ |
リッピング | △ | ◯ |
エアー | △ | ◯ |
チューブ | △ | ◯ |
おすすめのツインピンスペック
ツインピン、ミッドレングスかショートボードの2択です。
ミッドレングス
小波から大きな波まで全てのコンディションに対応できるのがミッドレングスのツインピン。6’8くらいの長さが抑えめのものを持っておくと非常に重宝します。湘南のパワーのない波から、バリ島のパワフルな波までどこでも対応できます。
個人的なおすすめは、ショートボーダーが臨むハワイサウスショアの波。サウスショアの波は厚めなので、ショートボードだとテイクオフに苦労するのですが、このツインピンミッドレングスならテイクオフが速いです。乗った後も、ショートボードのようなアクションが可能で楽しいです。
6’8くらいの長さだと、車に積んでも家に置いておくにもコンパクトで邪魔になりません。
ツインピンミッドレングスのおすすめスペック
6’8 * 20 1/2 * 2 7/16
(どんな体格の方でもこのスペックで良いです!)
ショート
ショートボードのツインピンもかなりありです。ハイパフォーマンスのThrusterの代わりにメインボードにしても良いですし、メインボードのサブボードとして持っておくのも良いです。基本的に、ハイパフォーマンスのThusterと同じように、どんな波でもオールラウンドに使えます。
スペックは自由なのですが、テール側をかなり絞ったデザインになりますので、普段使っているThrusterより、1〜2インチ長くした方が良いです。身長でいうと、自分の身長より1〜2インチ長く作るのがおすすめです。
私の場合は、その日の気分で、ハイパフォーマンスのThrusterかツインピンかを選んでいます。個人的には、台風のように波が大きくなった時は、必ずツインピンを使っています。Thrusterより長いので、Thrusterより大きな波で安心感がありますし、フィンも大きいので大きな波でターンがしやすいです。
ショートのツインピンのおすすめスペック
5’11 * 18 7/8 * 2 5/16
おすすめツインピンサーフボード
1位: オーダーボード
基本的にツインピンのボードはオーダーがおすすめです。普段行っているサーフショップで相談してみましょう。
既製品でも良いのですが、どうしても既製品だとかなり厚みがあります。同じスペックでもかなり厚みを感じるでしょう。やはりしっかりオーダーするのが良いと思います。
2位: Channel Islands Twin Pin
世界でNo.1のツインピンの乗り手、Mickey February が使っている(と言われている)のがChannel IslandsのTwin Pin。
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